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これが単なるじゃがいもか？とユニークなその名も納得の目から鱗の一皿。たぶん肉や魚などが容易に手に入らないスペインのどこかの地域のどこかの時代に作り上げられた料理なのでしょう。卵をつけたじゃがいもを油でこんがり揚げ、スープを加えた後にオーブンで焼いて香ばしさを皿全体に行き渡らせる。日本の精進料理にも相通じる発想にただただ感服するしかありません。おおつきちひろさんの『スペイン 温もりの食卓』のレシピより。
じゃがいも（中3個分）を7ミリ厚さにカットして塩を振る。小麦粉をまぶして溶き卵をくぐらせて油で揚げる。フライパンにオリーブオイルを注ぎみじん切りのタマネギ（1/2個）を炒める。色づいたら小麦粉を振り、白ワイン（1/2カップ）、スープ（顆粒スープを少々お湯に溶かした1カップ）を加えとろっとするまで煮詰める。揚げたじゃがいもを耐熱皿に並べスープをかけ、200℃のオーブンで約20分焼く。
Plat du Jour vol.338
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モルノ morunos とはモーロ人の、モーロ風の、という意味で、北西アフリカのイスラム教の人々のことです。日本では英語のムーア人 moors が一般的です。モーロ人による支配が長かったスペインではキリスト教徒とイスラム教徒の料理の融合が図られ、豚肉をモーロ風の味付けで食するピンチョス・モルノという串焼き料理が出来上がりました。政治も料理のように本音で語れればよいのですが。ピンチョス・モルノ Pinchos morunos をヒントにした厚切り豚肉をモーロ風にマリネしてグリルした一皿です。
豚ロースや肩ロース肉の厚切り肉を、ニンニク（摺り下ろしまたはみじん切り）、挽いたクミンとコリアンダー、パプリカ、カイエンヌペパー、香菜またはパセリ（みじん切り）、塩、ブラックペパー、レモン汁、オリーブオイルで2時間ばかりマリネする。グリルパンを良く熱してマリネした肉を焼く。マリネの材料もいっしょに焼いて表面が焦げるぐらいの焼き加減がちょうど良い。
Plat du Jour vol.337
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冬に仕込んだカラスミがそろそろ食べごろです。市販のカラスミは大変高価ですが、自家製は手間がかかりますが、懐具合を気にせずに楽しめます。薄くカットしてオリーブオイルをかけて白ワインのアテに、すりおろしてパスタに、バターといっしょにパンに乗せてなど重宝します。魚卵はボラ以外にも助惣鱈、真鱈、鱸、マグロなどなんでもOKです。今回のものは一番安価で手軽な真鱈のカラスミです。
魚卵の血管を爪楊枝やカッターなどで傷をつける。塩水の中で箸などを使いながら血抜きする。魚卵の重さの12％程度の塩をまぶしてリードペーパーでくるんで冷蔵庫に1週間ばかり放置する。次は塩抜き。同じ容量の酒に2日間浸して塩抜きする。水分を拭ってバットなどに並べ2週間程度天日に干す。日が落ちたら冷蔵庫に入れて翌日にまた干す。飴色になって強く押すとややへこむ程度になったらOK。重量は生の状態の50～60％程度になっている。表面にオリーブオイルを薄く塗って、空気が入らないようにラップで包みジップロックに入れて冷蔵庫で3ヶ月～半年程度寝かす。寝かせないと塩辛いだけのタラコで終わってしまうので注意。
パスタはフライパンにみじん切りのニンニク、赤唐辛子の輪切りを入れオリーブオイルを注ぎ火にかける。茹でたパスタを加え、摺りおろしたカラスミ、ルッコラや水菜を加え全体を混ぜ合わせる。皿に盛って残りの摺りおろしたカラスミと赤唐辛子をのせる。
Plat du Jour vol.336
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水茄子の登場で夏が訪れます。名前どおりにみずみずしい食感はサラダにぴったりです。いまでは全国的に栽培されいますが、かつては泉州地方（堺、和泉、岸和田、泉佐野、貝塚各市）以外では育だたず、水茄子は大和川を越えず、といわれていたそうです。
水茄子を放射状にカットしてボウルに入れ、塩、オリーブオイルで合える。皿に盛ってオリーブオイルをかけまわし、パルミジャーノ・レッジャーノを削ってブラックペパーを挽く。
Plat du Jour vol.335
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いわしをマリネしてクレソンなどちょっと苦い葉っぱと組み合わせてサラダ仕立てにした一皿。白ワインやスパークリングのお供にぴったりなアンティパストの出来上がりです。
いわしを3枚に下ろして腹骨をすき取る。残った背骨の残りも引き抜いておく。両面に塩をして30分ばかり置く。塩を酢水で洗い流し、水分をよく拭って白ワインヴィネガー3：白ワイン1のマリネ液に浸す。浸す時間は好みで1時間～2時間程度。水分をよく拭って皮を剥く。肩の方の端を少し剥がして、そのまま尾の方に引くとうまく剥ける。ひたひたのオリーブオイルに浸して1～2日置く。冷蔵庫で１週間程度はもつ。冷水に浸したクレソンをちぎって皿に盛り、1ｃｍ幅に切ったいわしを乗せ、万能ネギを散らし、レモン汁を絞って、塩、ブラックパパーをして、オリーブオイルをかけまわす。タイムなどのハーブ、ブラックペパー、ニンニク、ローリエなどを入れて煮出したマリネ液を作ってもよいね。
Plat du Jour vol.334
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ビネガーとオイルを直がけするなど作り方はいたって大雑把だが、そこがまた素材の味がストレートに感じられ、これまた旨かったりするのがバル風ということなのだ。素材重視ということで手作りツナをあわせてみた。おおつきちひろさんの『スペイン温もりの食卓』掲載のセビーリャの新幹線駅にあるバルの定番料理のレシピを参考に。
ツナのコンフィを作る。マグロの切り身に塩と砂糖をまぶしてキッチンペーパーで被って一日冷蔵庫に放置する。軽く流水で洗って水気を良く拭っておく。鍋または耐熱容器にマグロを並べ、オリーブオリルをマグロが浸るぐらい注ぎ、ベイリーフやタイムなどを加え140℃に予熱したオーブンで約20分加熱する。じゃがいもを茹でて皮を剥き適宜カットする。皿にじゃがいも、タマネギの薄切り、ピーマンのみじん切り、ゆで卵、ほぐしたツナを盛って、白ワインヴィネガー、オリーブオイルをかけまわし、塩、ブラックペパーを味を整える。ピーマンの代わりに揚げたしし唐などを加えてもいいね。ケイパーやオリーブなどもOKだ。
Plat du Jour vol.333
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ミーゴレンとくれば次にくるのはやっぱりナシゴレン。nasiは「飯」、gorengは「揚げる」という意味のインドネシア版のfried riceです。しょっぱさや香ばしさや辛さや油っぽさの背景に甘さが隠されているのが東南アジアならではの味わい。近頃とみに暑い日本の気候にもバッチリです。
2人前の分量です。ソースを作る。ボウルにサンバル（手作りはここを参照。なければチリソースで代用）大2、ナンプラー（またはニュクマム）大2、醤油大2、ケチャップ大1、オイスターソース小1、砂糖小1、酒大1を入れ混ぜ合わせておく。海老の殻を剥き、ボウルに入れ、塩をして酒を振りかけておく。フライパンを熱して油を注ぎ、海老を入れ色が変わったら取り出しておく。油を追加して、ニンニクのみじん切り、玉ねぎ、ピーマン（いすれも粗みじん切り）を加え炒める。キュウリ（縦にカットしてタネを取って粗みじん切り）やニンジン（みじん切り）などを加えても良い。ご飯を加えチャーハンの要領で炒め、海老を入れ、ソースを加えて全体を混ぜ合わせるように炒める。皿に盛りつけて目玉焼きや揚げた海老せんべいなどを乗せてどうぞ。
Plat du Jour vol.332
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初めて食べた時の印象は元祖ハムカツ！油で揚げられて濃縮した生ハムの味とととろっとなったモッツラレッラの食感が絶妙です。このマイルドなアンチョビソースはサラダやポテトなどにも使えます。
アンチョビソースを作る。ニンニクは牛乳で20分ほど茹でるかラップをして電子レンジで加熱する。小鍋にニンニク、タマネギのみじん切り、アンチョビを入れオリーブオイルをひたひたに注ぎ、極弱火で約1時間加熱し、くたくたになったらスプーンなどで潰す。モッツラレッラを1ｃｍ厚さにカットして水気を拭ってブラックペパーを挽く。生ハムで巻いて小麦粉、溶き卵、細かいパン粉をつけてオリーブオイルでかりっと揚げる。アンチョビソースをかけてどうぞ。
Plat du Jour vol.331
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野菜と肉を一度に食べられる欲張りな一皿。市場の中で最も安い食材を使いながら家族にたらふく食べさせる。厳しい環境でもねじれないスペインの不屈の精神を感じさせるレシピだと、おおつきちひろさんはおっしゃっております。『スペイン温もりの食卓』のレシピより。
じゃがいもの皮を剥き上下を少し切り落として、中をくりぬく。リンゴの芯のくりぬき器などを使うと良いかも。マッシュルーム、たまねぎ、ニンニクをみじん切りにしておく。フライパンにオリーブオイルを注ぎ、みじん切りの野菜を入れ炒める。炒めたものを冷ましてボウルに移し、細かく切った生ハム、パセリのみじん切り、豚挽肉、パン粉、卵、塩、胡椒を加え良くこね、中をくりぬいたじゃがいもに詰める。フライパンに油を注ぎ、じゃがいもの表面をソテーしておく。ソースを作る。フライパンにオリーブオイルを注ぎ、たまねぎとニンニクのみじん切りを加え炒め、白ワインを振ってアルコールを飛ばして、スープ（100ccのお湯に固形スープを少し溶かしたものでOK）、サフラン、塩、胡椒を加え、煮詰める。耐熱容器のじゃがいもを並べ、スープをかけまわし200℃のオーブンで20分ほど焼く。
Plat du Jour vol.330
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チコリは生のままカットしてシャキシャキ感を楽しむサラダもいいですが、火を通すとその甘さと苦さが際立ち、これまた別の味わいがあります。今回はグリュイエールチーズを乗せてオーブンで焼いたシンプルなグラタンです。一度ソテーすることで水分が抜けてドライなグラタンに仕上がります。
チコリを縦1/4にカットする。フライパンにオリーブオイルを注ぎ、やや焼き色がつく程度にソテーする。耐熱容器にチコリを並べ、塩を振り、カットしたグリュイエールチーズを乗せ200℃のオーブンでチーズが溶けるまで焼く。白ワインやシェリーやブランデーを少々振りかけてオーブンに入れると大人の味わいになるね。ブラックペパーを挽いてどうぞ。
Plat du Jour vol.329
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今がまさに旬のこごみ。本来の名前はクサソテツ。ソテツ類・シダ類は約2億年前に地球上に誕生した最初の植物といわれいます。そう、こごみは生きた化石を食しているようなものなのです。わらびやぜんまいに比べ癖がなく、あく抜くなどしなくてすぐ食べられるのがありがたい。少しぬめりがあるみずみずしい食感が特徴です。
小麦粉をビールで溶いた衣をつけてオリーブオイルで上げる。塩を振ってレモンを絞って塩でどうぞ。
Plat du Jour vol.328
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