映画『ある過去の行方』(アスガー・ファルハディ 2014)は、パリに住む家族の日常生活や普段の家のなかを舞台に緊張感溢れる展開でみせる秀作。謎が二転三転するサスペンス感も前作『別離』と同様に見事。別居中のイラン出身の夫がイランから戻って来て家族に振舞うのがこの一皿。優しく、気もきいて、生活力もありそうなのだがどこかフランスには馴染めない男の影を暗示するようなエピソードだ。画面の中の真っ黒い塊のようなシチューが記憶に残った人も多いのでは。
概ね4人分として牛塊肉(500g)を2センチ角にカットして塩・胡椒をする。鍋にオリーブオイルそ注ぎ、タマネギのみじん切り(4個)を飴色になるまで弱火で炒める。ニンニクのみじん切り、ターメリック、クミンを加え炒め合わせる。フライパンにオリーブオイルを注ぎ、カットした牛肉を表面に焼き色がつくまで炒める。牛肉を鍋に移して(フライパンの焼き痕も白ワインでデグラッセして鍋に加える)、カットしたトマト缶(1缶)、トマトピューレ、ビーフストックスープ(1カップ)、水(2カップ)を加え、2~3時間煮込む。ビーフストックがなければ水を増やす。1時間ほどたったら、レンズメ豆(またはスプリット・ピー1/2カップ)、ナツメグ、シナモンを加え、牛肉が崩れるくらい柔らかなるまで煮込む。最後に塩・胡椒で味を調え、ライムジュース(大2~3)、ちぎったミントを加える。Limu Omani リム・オマニ(オマーンのライムという意味だそうだ)と呼ばれる中東の干しライムを加えると味わいが増すそうだが、どこか日本で売っているところはないだろうか。
Bon appetit !
Plat du Jour vol.260
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