女正月って知ってます?
暮れの大掃除に始まって、年末から大みそかにかけてのおせち作り、年始には親戚の来訪や年賀客の接待など、多忙と気遣いが続く、家制度のもとの女性、主に一家の主婦、のそうした重労働と気苦労がひと段落する松の内があけた1月15日がそう呼ばれているのだそうです。
小正月とも呼ばれる女正月といえば、向田邦子脚本のテレビドラマ『阿修羅のごとく』に登場する、竹沢家の女たちが作る揚げ餅。すっかりひび割れて、いい具合に乾いたお供えの鏡餅を小さく切って、加藤治子、八千草薫、いしだあゆみ、風吹ジュンの四姉妹が、ひび割れた鏡餅が亡き母大路三千緒のあかぎれのかかとを思わせるとかなんとか、かしましく言いあいながら、実家の台所で揚げ餅を作るシーンが思い起こされます。
家制度による女性の桎梏も、大家族のにぎやかさも、年賀客のおめでたい酔態も、すっかり姿を消してしまった昨今の正月ですが、カビの生えかかった鏡餅の再利用の格好の機会として、遅ればせながら女正月などと嘯きながら、揚げ餅を作ってみた。旨いで。
乾燥した鏡餅をひと口大に切って油で揚げる。油をきって皿にのせ塩を振る。ブラックペパーなども合う。醤油、シナモン、はちみつなどでもよい。
Bon appetit !
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