パリの旨くて安い飯どころをご紹介する“パリ ノ メシ”シリーズ。
パリはテイクアウト(アンポルテ emporter)ができるおいしい惣菜屋さんやレストランがたくさんあり、外でゆっくり食事する時間がなかなか取れない時や日中に街中を歩き疲れて夜はゆっくりとしたい時など大変助かります。あるいは「昼からワイン」の心地良さによる「ついつい食べ過ぎ飲み過ぎシンドローム」の際なども食事時間や量の調整が可能で、しかもなかなかのレベルの食事を楽しむことが出来るという利点もあります。
経験値的に申し上げれば、時間や立地に妥協してテキトーに入った店は大概高くて不味い店がほとんどであるという世界的な都市の掟は、ことここパリにおいても十分に前提とすべき信憑性を有していると認めざるを得ないからであります。
というわけで、地元フランス系はもちろん、vol.5でご紹介した牡蠣や雲丹などの海の幸系、カンボジア系、イタリア系、ベトナム系、モロッコ系、アルジェリア系、中国系、レバノン系など、いつも街中の「アンポルテ」にはお世話になっております。
今回ご紹介するのは10区はサンマルタン運河にも程近いリシュラン通りのカンボジア料理のレストラン「ル・カンボジュ」のバン・ホイのテイクアウトです。
夜も8時を過ぎているのに、席の空くのを待って並んでいる人、テイクアウトの注文を待つ人などでこのレストランの前の街角は人だかりが絶えません。この光景を一目見ただけで、安くて旨くて大満足の雰囲気が漂ってくるではありませんか!
並んでようやく買って帰ったこの人気店のバン・ホイのテイクアウト、中身はビーフン、揚げ春巻き、揚げた海老、炒めた牛肉などがまさにお弁当風の器に入れられており、別に山盛りのサニーレタス、もやし、コリアンダー、ミントが入った袋とピーナッツ入りのニョクマムソースがついてきます。
麺と豊富な具がニョクマムソースに絡められ渾然一体となった感じはどことなく本邦の冷やし中華を思い起こさせ、みずみずしい野菜(ミントの葉の大きいこと!)との取り合わせを含めて実に清涼感溢れる期待通りのアンポルテの逸品でした。
*Le Cambodge
10,avenue Richerand 75010
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今日の一皿《金目鯛のトルコ風紙包み焼き》Kinmedai baked in paper turkish style “Kağıtta Balık”
2021/04/16
その面構えから深海に住まわれていることがわかる金真鯛。脂の乗ったとろっとした食感の柔らかい白身が特徴です。静岡や千葉など近海で採れるので関東ではお馴染みの魚。お馴染みですが、丸ものの金目鯛はいささか高いというのが現実。したがって食卓においては必ずし金目鯛はお馴染みではないわけです。そんなかでアラは安いぜ、お買い得ということで、今回は金真鯛の頭をトルコ風の紙包み焼きに。ぶどうの葉を入れ、白ワインの代わりにトルコの干しブドウから作られた蒸留酒ラクを使うとより本格的だ。サラーム海上さんのレシピを参考に。
金真鯛の半割の頭を軽く流水で洗い、水気を拭いて塩・胡椒をする。広げたオーブンシートの片側に金目鯛の頭を置き、薄切りのタマネギ、4分の1にカットしたミニトマト、小口切りの青唐辛子、小口切りのわけぎ、オリーブ、ケイパーなどを乗せ、さらにバター、塩レモン(今回は塩柚子)を乗せ、白ワインを注ぎ、シートをかぶせて包み込む。220℃に予熱したオーブンで30分焼く。
Bon appetit !
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