晩年のプルーストは健康が悪化し食事もろく取れなくなりながらオスマン通り102番地のアパルトマンのコルク貼りの部屋で『失われた時を求めて』の改定作業に打ち込んでいた。晩年に仕えていた家政婦セレスト・アルバレの証言によると、そんなプルーストが時々思い出したように所望したのが舌平目のフライだったそうだ(『プルーストの食卓』 アンヌ・ボレルから)。コルベール風とは、ルイ14世の腹心で要職を兼任していたジャン=バプティスト・コルベールが好んだことに由来する。
舌平目を30分ばかり牛乳に浸す。その間にメートルドテル・バターを作る。無塩バターを常温に戻しボウルなどに入れよく練ってポマード状にする。みじん切りにしたパセリを加え、レモン汁を絞り混ぜ合わせ、塩・胡椒を加える。舌平目の水分を良く拭って塩・胡椒を少し振ってし、小麦粉、卵、細かいパン粉をまぶす。新鮮オイルで揚げよく油を切ってから皿に乗せ、メートルドテル・バターを乗せ、カットしたレモンを添える。あらかじめ中骨を取るのがフランス式だが焼き魚になれた日本人はそのままでも十分うまく食べられるでしょう。
Bon appetit !
Plat du Jour vol.216
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古本屋でもしも見かけたら、買おうと思っていた「プルーストの食卓」どこで手に入れられたのでしょう?私は、図書館で少し借りただけで我慢していましたが。また、借りてこようかしら。
作ってみて美味しかったレシピがあったらまた載せてください。写真もたくさん載っていていい本でしたよね。
投稿情報: ユッキー | 2013/12/21 22:07
こんばんわ。
もともとユッキーさんからこの本のイチゴのムースのレシピが載っているページのコピーをもらったのがきっかけです。
この本は古本でもすこぶる値が張りますね。試しに図書館で借りてみました。載っている室内や家具や調度品や食器の写真が素晴らしいですね。レシピの方はデザート以外は実際作るとなると結構きびしい、つまり現代ではあまり食べたくなる感じがしない、ものが多いなーという印象でした。
レシピに載っているものよりも、今回の舌平目のフライのようにエピソードに何気なく書かれている料理などに心惹かれました。
投稿情報: t/o | 2013/12/21 23:17