山形では七草がゆの代わりに納豆汁をいただくほど親しまれている冬の名物の一皿。秋田、岩手などでもよく食べられているそうですが、別に東北地方の郷土料理というわけではなく、江戸時代以前から各地で食べられていたのだそうです。往時は納豆ごはんなどよりも、納豆汁にして食べる方がポピュラーだったとか。「朝霜や室の揚屋の納豆汁」(与謝蕪村)など、なんとも艶っぽいシチュエーションで詠まれたりしているのも実に面白い。揚場でなくとも寒い時が一番旨いです。
芋がら(里芋の茎を干した保存食。山形の納豆汁には必須の食材)を水でも戻す。芋がら、こんにゃく、豆腐、油揚げなどを一口大に切っておく。鍋に出汁をはり火にかけ、具を入れる。納豆はすり鉢で擂るか包丁で細かく叩いて粘りを出しておく。具が煮えたら火から下ろして納豆を加え溶き、味噌を溶き入れる。納豆、味噌を加えてからは沸騰させない。お椀に盛り、粗く刻んだネギ、セリを加える。具は好みでごぼう、大根、にんじん、山菜、キノコ類などを加えてもよい。
Bon appetit !
Plat du Jour vol.522
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