Txikiteo チキテオ 食と料理をめぐる冒険

今日の一皿《自家製カラスミ》 Bottarga

　冬に仕込んだカラスミがそろそろ食べごろです。市販のカラスミは大変高価ですが、自家製は手間がかかりますが、懐具合を気にせずに楽しめます。薄くカットしてオリーブオイルをかけて白ワインのアテに、すりおろしてパスタに、バターといっしょにパンに乗せてなど重宝します。魚卵はボラ以外にも助惣鱈、真鱈、鱸、マグロなどなんでもOKです。今回のものは一番安価で手軽な真鱈のカラスミです。
　　　
　魚卵の血管を爪楊枝やカッターなどで傷をつける。塩水の中で箸などを使いながら血抜きする。魚卵の重さの12％程度の塩をまぶしてリードペーパーでくるんで冷蔵庫に1週間ばかり放置する。次は塩抜き。同じ容量の酒に2日間浸して塩抜きする。水分を拭ってバットなどに並べ2週間程度天日に干す。日が落ちたら冷蔵庫に入れて翌日にまた干す。飴色になって強く押すとややへこむ程度になったらOK。重量は生の状態の50～60％程度になっている。表面にオリーブオイルを薄く塗って、空気が入らないようにラップで包みジップロックに入れて冷蔵庫で3ヶ月～半年程度寝かす。寝かせないと塩辛いだけのタラコで終わってしまうので注意。
　
　パスタはフライパンにみじん切りのニンニク、赤唐辛子の輪切りを入れオリーブオイルを注ぎ火にかける。茹でたパスタを加え、摺りおろしたカラスミ、ルッコラや水菜を加え全体を混ぜ合わせる。皿に盛って残りの摺りおろしたカラスミと赤唐辛子をのせる。

Bon appetit !

Plat du Jour vol.336 

 

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今日の一皿《水茄子のサラダ》 Raw eggplant salad

　水茄子の登場で夏が訪れます。名前どおりにみずみずしい食感はサラダにぴったりです。いまでは全国的に栽培されいますが、かつては泉州地方（堺、和泉、岸和田、泉佐野、貝塚各市）以外では育だたず、水茄子は大和川を越えず、といわれていたそうです。
　　　　　　　　　　　　　　　
　水茄子を放射状にカットしてボウルに入れ、塩、オリーブオイルで合える。皿に盛ってオリーブオイルをかけまわし、パルミジャーノ・レッジャーノを削ってブラックペパーを挽く。

Bon appetit !

Plat du Jour vol.335 

 

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今日の一皿《いわしのマリネサラダ》 Insalata con sarde marinate

    
       
 いわしをマリネしてクレソンなどちょっと苦い葉っぱと組み合わせてサラダ仕立てにした一皿。白ワインやスパークリングのお供にぴったりなアンティパストの出来上がりです。
    
　いわしを3枚に下ろして腹骨をすき取る。残った背骨の残りも引き抜いておく。両面に塩をして30分ばかり置く。塩を酢水で洗い流し、水分をよく拭って白ワインヴィネガー3：白ワイン1のマリネ液に浸す。浸す時間は好みで1時間～2時間程度。水分をよく拭って皮を剥く。肩の方の端を少し剥がして、そのまま尾の方に引くとうまく剥ける。ひたひたのオリーブオイルに浸して1～2日置く。冷蔵庫で１週間程度はもつ。冷水に浸したクレソンをちぎって皿に盛り、1ｃｍ幅に切ったいわしを乗せ、万能ネギを散らし、レモン汁を絞って、塩、ブラックパパーをして、オリーブオイルをかけまわす。タイムなどのハーブ、ブラックペパー、ニンニク、ローリエなどを入れて煮出したマリネ液を作ってもよいね。

Bon appetit !

Plat du Jour vol.334 

 

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今日の一皿《じゃがいもと手作りツナのバル風サラダ》 Ensalada de Patata y atún

　ビネガーとオイルを直がけするなど作り方はいたって大雑把だが、そこがまた素材の味がストレートに感じられ、これまた旨かったりするのがバル風ということなのだ。素材重視ということで手作りツナをあわせてみた。おおつきちひろさんの『スペイン温もりの食卓』掲載のセビーリャの新幹線駅にあるバルの定番料理のレシピを参考に。
　　　　　　
　ツナのコンフィを作る。マグロの切り身に塩と砂糖をまぶしてキッチンペーパーで被って一日冷蔵庫に放置する。軽く流水で洗って水気を良く拭っておく。鍋または耐熱容器にマグロを並べ、オリーブオリルをマグロが浸るぐらい注ぎ、ベイリーフやタイムなどを加え140℃に予熱したオーブンで約20分加熱する。じゃがいもを茹でて皮を剥き適宜カットする。皿にじゃがいも、タマネギの薄切り、ピーマンのみじん切り、ゆで卵、ほぐしたツナを盛って、白ワインヴィネガー、オリーブオイルをかけまわし、塩、ブラックペパーを味を整える。ピーマンの代わりに揚げたしし唐などを加えてもいいね。ケイパーやオリーブなどもOKだ。

Bon appetit !

Plat du Jour vol.333 
 

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今日の一皿《ナシゴレン》 Nasi goreng

　ミーゴレンとくれば次にくるのはやっぱりナシゴレン。nasiは「飯」、gorengは「揚げる」という意味のインドネシア版のfried riceです。しょっぱさや香ばしさや辛さや油っぽさの背景に甘さが隠されているのが東南アジアならではの味わい。近頃とみに暑い日本の気候にもバッチリです。
　　　　
　2人前の分量です。ソースを作る。ボウルにサンバル（手作りはここを参照。なければチリソースで代用）大2、ナンプラー（またはニュクマム）大2、醤油大2、ケチャップ大1、オイスターソース小1、砂糖小1、酒大1を入れ混ぜ合わせておく。海老の殻を剥き、ボウルに入れ、塩をして酒を振りかけておく。フライパンを熱して油を注ぎ、海老を入れ色が変わったら取り出しておく。油を追加して、ニンニクのみじん切り、玉ねぎ、ピーマン（いすれも粗みじん切り）を加え炒める。キュウリ（縦にカットしてタネを取って粗みじん切り）やニンジン（みじん切り）などを加えても良い。ご飯を加えチャーハンの要領で炒め、海老を入れ、ソースを加えて全体を混ぜ合わせるように炒める。皿に盛りつけて目玉焼きや揚げた海老せんべいなどを乗せてどうぞ。

 

Bon appetit !

Plat du Jour vol.332 

 

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今日の一皿《モッツラレッラと生ハムのカツレツ》 Cotoletta di prosciutto e mozzarella

        
　初めて食べた時の印象は元祖ハムカツ！油で揚げられて濃縮した生ハムの味とととろっとなったモッツラレッラの食感が絶妙です。このマイルドなアンチョビソースはサラダやポテトなどにも使えます。
       
　アンチョビソースを作る。ニンニクは牛乳で20分ほど茹でるかラップをして電子レンジで加熱する。小鍋にニンニク、タマネギのみじん切り、アンチョビを入れオリーブオイルをひたひたに注ぎ、極弱火で約1時間加熱し、くたくたになったらスプーンなどで潰す。モッツラレッラを1ｃｍ厚さにカットして水気を拭ってブラックペパーを挽く。生ハムで巻いて小麦粉、溶き卵、細かいパン粉をつけてオリーブオイルでかりっと揚げる。アンチョビソースをかけてどうぞ。

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Plat du Jour vol.331 

 

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今日の一皿 《じゃがいもの詰め物》 patatas rellenas

 野菜と肉を一度に食べられる欲張りな一皿。市場の中で最も安い食材を使いながら家族にたらふく食べさせる。厳しい環境でもねじれないスペインの不屈の精神を感じさせるレシピだと、おおつきちひろさんはおっしゃっております。『スペイン温もりの食卓』のレシピより。
     
　じゃがいもの皮を剥き上下を少し切り落として、中をくりぬく。リンゴの芯のくりぬき器などを使うと良いかも。マッシュルーム、たまねぎ、ニンニクをみじん切りにしておく。フライパンにオリーブオイルを注ぎ、みじん切りの野菜を入れ炒める。炒めたものを冷ましてボウルに移し、細かく切った生ハム、パセリのみじん切り、豚挽肉、パン粉、卵、塩、胡椒を加え良くこね、中をくりぬいたじゃがいもに詰める。フライパンに油を注ぎ、じゃがいもの表面をソテーしておく。ソースを作る。フライパンにオリーブオイルを注ぎ、たまねぎとニンニクのみじん切りを加え炒め、白ワインを振ってアルコールを飛ばして、スープ（100ccのお湯に固形スープを少し溶かしたものでOK）、サフラン、塩、胡椒を加え、煮詰める。耐熱容器のじゃがいもを並べ、スープをかけまわし200℃のオーブンで20分ほど焼く。

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Plat du Jour vol.330

 

 

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今日の一皿《チコリとグリュイエールのグラタン》 Gratin d’endives au gruyère

　チコリは生のままカットしてシャキシャキ感を楽しむサラダもいいですが、火を通すとその甘さと苦さが際立ち、これまた別の味わいがあります。今回はグリュイエールチーズを乗せてオーブンで焼いたシンプルなグラタンです。一度ソテーすることで水分が抜けてドライなグラタンに仕上がります。
     
　チコリを縦1/4にカットする。フライパンにオリーブオイルを注ぎ、やや焼き色がつく程度にソテーする。耐熱容器にチコリを並べ、塩を振り、カットしたグリュイエールチーズを乗せ200℃のオーブンでチーズが溶けるまで焼く。白ワインやシェリーやブランデーを少々振りかけてオーブンに入れると大人の味わいになるね。ブラックペパーを挽いてどうぞ。

Bon appetit !

 

Plat du Jour vol.329

 

 

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今日の一皿《こごみのフリット》 Fritto di kogomi

 今がまさに旬のこごみ。本来の名前はクサソテツ。ソテツ類・シダ類は約2億年前に地球上に誕生した最初の植物といわれいます。そう、こごみは生きた化石を食しているようなものなのです。わらびやぜんまいに比べ癖がなく、あく抜くなどしなくてすぐ食べられるのがありがたい。少しぬめりがあるみずみずしい食感が特徴です。
　　　　
　小麦粉をビールで溶いた衣をつけてオリーブオイルで上げる。塩を振ってレモンを絞って塩でどうぞ。

Bon appetit !

 

Plat du Jour vol.328

 

 

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今日の一皿《ミーゴレン》 Mi goreng

 パッタイに続いてアジア麺の一皿。ミーゴレンはインドネシアの焼きそば。塩味でもない、醤油味でもない、トマト味でもない、それらが鉄板の上で焼き付けられて渾然となったような香ばしい味わいは、食べるたびに旨いなーと思います。大昔にバリで食べまくった味を思い出して作ってみました。
          
　手作りのサンバルを作ってみる。みじん切りのニンニク、トマトの水煮（包丁で叩いておく）、赤唐辛子（キッチンばさみで種つきのままで薄くカット）、摺り下ろした赤ピーマン、少々のオイルを小鍋に入れ弱火でじっくり加熱して煮詰める。フライパンにごま油を熱して市販の焼きそば麺を表面がやや焦げるまで焼きつけて取り出しておく。洗ったフライパンを熱して油を注ぎ、赤ピーマン（細切り）をじっくり炒める。赤ピーマンが柔らかかくなったらニンニク（みじん切り）を加え、海老、ニンジン（細切り）、タマネギ（薄切り）、キャベツ（細く切る）、ネギ（薄切り）などを加え炒める。野菜をフライパンの片側に寄せ、空いたところに卵を割り入れ炒り卵を作る。麺を入れ全体を馴染ませ、酒、サンバル、オイスターソース（少なめ）、砂糖（少々）、塩、醤油を加え、炒め合わせる。香菜などをかけでどうぞ。炒り卵の代わりに目玉焼きを乗っけても良いね。
　
Bon appetit !

 

Plat du Jour vol.327

 

 

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今日の一皿《セルバティコと苺のサラダ》 Insalata di rucola selvatica e fragole

　春先にぴったりのフルーツを使った薫り高きサラダはいかが？普通のルッコラよりも青っぽい苦味のきいたセルバティコと甘酸っぱい苺、塩味のきいた生ハムが良く合います。バルサミコを煮詰めたドレッシングを添えてどうぞ。
          
　セルバティコの根元を切り落とし流水で洗って水気をよく拭う。苺を4～5ミリ幅にカットする。バルサミコを煮詰めて、塩、ブラックペパー、オリーブオイルを加え、ドレッシングを作る。セルバティコを皿に盛りつけ、スライスした苺と生ハムを乗せドレッシングをかける。
   
Bon appetit !
             

 

Plat du Jour vol.326

 

 

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今日の一皿《きのこオイル》 Olio ai funghi

 皆さん、しいたけの軸はどうしてますか？チキテオではオリーブオイルでじっくり火を入れてきのこオイルを作っております。驚くほどの柔らかさとトリュフオイル顔負けの香りに圧倒されます。もちろん、しいたけ本体やマッシュルームを使ってもOKです。このきのこオイルはパスタのほか、ステーキやオムレツの風味づけなどにも最適です。
        
　しいたけの軸は根元の石突をカットしてみじん切りにする。フライパンにオリーブオイルをたっぷり注ぎ、みじん切りにしたしいたけ、ニンニクのみじん切り、赤唐辛子、塩を加え、弱火でじっくり1時間ばかり火を入れる。瓶に入れて冷蔵庫で長期保存できます。きのこオイルパスタを作る場合は、すりおろしたパルミジャーノと一緒に和えます。

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Plat du Jour vol.325

 

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今日の一皿《タコとインカのめざめのサラダ》 Insalata di Polpo e patate Inka-no-mezame

　これこそリッチテイストと呼びたい北海道のインカのめざめ。茹でてサラダ仕立てなどのシンプルが食べ方にうってつけです。インカのめざめは、アンデスでも晴れのお祭りにしか食べられなかった「ソラナムフレファ」種という希少なじゃがいもを日本向けに改良したものなのだそうです。普通のじゃがいもより糖度が高く、甘みと濃厚な味わいが特徴で、ややねっとりしてどこか栗やさつまいもを思い起こさせる食感が病みつきになります。

　鍋にタコ、くず野菜、塩、オリーブオイルを入れ、ひたひたの水で1時間ばかり弱火で茹でる。そのまま冷まして大きめにカットする。インカのめざめを水から茹でて皮を剥き大きめにカットする。皿に盛りつけて、ブラックオリーブを加え、タマネギのみじん切り、パセリのみじん切りをかけ、粒塩、レモン汁、オリーブオイル、ブラックペパーで味つけする。

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Plat du Jour vol.324

 

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今日の一皿《パッタイ》 Thai-style fried rice noodle

 パッタイは米の麺を使ったタイ風の焼きそば。タマリンドやパームシュガーを使って甘辛く味付けるのが一般的らしい（現地で食べたことはないですが）のですが、チキテオとしては甘さ控えめの一皿に仕上げてみました。フォーのような汁麺もいいですが、コシがないライスヌードルは、茹でずに炒めて使う方がアジアっぽい米の風味が楽しめるような気がします。
          
　センレックと呼ばれる幅3～5ミリ程度のライスヌードルを1時間ばかり水に浸しておく。ニラ、もやしを洗っておく。桜海老をフライパンで炒って細かく刻んでおく。小鍋に砂糖、ニュクマム、刻んだ赤唐辛子、水を入れ、火にかけ一煮たちしたら、ライムやレモンを絞っておく。フライパンを熱してサラダオイルを注ぎ、海老を油通しして一旦取り出す。同じフライパンに卵を割り入れ、柔らかめの炒り卵を作って一旦取り出しておく。鍋にオイルを追加して、水気を切ったライススヌードルを入れ炒める。途中で海老、刻んだ桜海老、小鍋のニョクマムソースを加え、麺がしんなりするまで炒める。最後にニラともやし半量、入り卵を加え、全体が馴染むまで炒め合わせる。最初は麺がばさばさした感じだが炒めていると馴染んでくるはず。皿に盛って、残りのニラともやしを乗せ、刻んだピーナッツと香菜をかけ、レモンやライムを搾る。

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Plat du Jour vol.323

 

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今日の一皿《塩豚丼》 Salted pork bowl

 とにかく腹が減った時に最適な一皿。ガツガツとかっ込んで食べましょう。
     
　一口大にカットした豚バラの薄切りと大量の長葱のみじん切りをボウルに入れ、塩・ごま油で味付けして３０分ばかり置く。フライパンを熱してオイルを注ぎ肉を焼く。葱や肉がやや焦げるぐらいが良い。余分な油を捨てて、酒を注ぎ、アルコール分を飛ばし、塩味が足りなければ塩で味を整える。丼にご飯を盛って肉を載せ、葱、ごま、ブラックペパーをかけてどうぞ。

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Plat du Jour vol.322

 

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今日の一皿《ふきのとうのフリット》 Fritto di fukinoto

　そろそろ山菜の季節。山菜というと思わずため息が出るような開高健の比喩が忘れられません。
　
　「山の不屈の純潔が口いっぱいにほとばしる。そして峻烈の気迫をひそめたホロにがさがひろがっていく。あらゆる味のなかでもっともひめやかだがもっとも気品高いホロにがさがひろがっていく。舌が洗われる。ひきしめられる。小さいが鋭い弦楽器が凛と正面を直視して音楽を奏で、いきいきと二つ、三つ飛躍し、批評の言葉を考えるひまもあたえずにふいに消える。高貴なつつましやかさがその苦みにこめられているようである」（『新しい天体』）。

　というわけで今回は爽やかな苦味が初春を告げるふきのとうをフリットで。周囲の葉っぱを広げる。小麦粉をビールで溶いた衣をつけてオリーブオイルで上げる。丸いつぼみの方を下にして入れ途中でひっくり返す。シンプルにレモンを絞って塩でどうぞ。

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Plat du Jour vol.321

 

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今日の一皿《バカリャウ・ア・ゴメス・デ・サ》 Bacalhau à Gomes de Sá

　パスティス・デ・バカリャウ（干しダラのコロッケ）やブランダード（干しダラのポテトグラタン）など干しダラ料理に目がないチキテオ。今回はポルトガルの直球勝負な一皿。皿の上の素材が渾然一体となった素朴な旨さがうれしい。このGomes de Sá というのは干しダラなどを扱っていたポルトの裕福な商人の息子の名前。いつのまにか家運が傾き、セニョール・ゴメスはレストランに職を見つけ、この料理を考案したのだそうです。なんだか生々流転を感じようなエピソードでありますな。
       
　ポルトガルの干しダラがあればベスト。なければvol.107の要領で干しダラを作る。なるべく身が厚い方が適している。干しダラを水で戻す。戻しすぎると味気ない単なる鱈になってしまうので注意。戻した干しダラを良く熱したスキレットで焼く。焼き色がつくぐらいが良い。茹でたじゃがいも、ゆで卵、タマネギのスライス、オリーブなどと一緒に皿に盛りつけて、塩・ブラックペパーで味を整え、上からニンニクオイルをかけ回し、イタリアンパセりやコリアンダーをかける。オーブンで焼くパターンもあります。

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Plat du Jour vol.320

 

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クミン＆パプリカ＠鮫洲 アジアン・バザー Asian Bazzar

　アジア料理や中東料理を作る際の強い味方。いつもお世話になっております。


         
　クミン200gで350円、パプリカ100gで250円という安さ。旧東海道や品川東京湾岸散歩の帰りなどにどうぞ。口の中でハラハラと溶けるインドの人気お菓子カルダモン味が独特のソーンパブディSOAN PAPDIも売ってます。オーナーインド系の方のようです。ウェブショップはこちら。
         



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今日の一皿《ホワイトアスパラガス》 White asparagus

　そろそろ旬のホワイトアスパラガス、その自然の甘さは感激ものです。結構な値段がしますが、チキテオの場合、いつもお世話になっている八百屋「市場のあんちゃん」から、途中で折れているものを安く仕入れられるので助かっております。感謝感謝。今頃のは九州産かな。洋風の場合は、シンプルに茹でてオリーブオイルやバターレモンソースで食すのが一番旨いね。
　　　　　
　下を1ｃｍほど切り落として穂先の色が白く変わるあたりから下に向かって皮を剥く。大きな鍋に湯を沸かし、剥いた皮を入れ2分ばかり茹でる。アスパラの下の方をお湯に入れ15秒ばかりそのままにしてから湯に放ち3~4分ばかり茹でる。ざるなどに上げて自然に冷ます。フライパンにバターを溶かし塩を加えレモン汁を絞りレモンバターソースを作る。器に盛り付けレモンバターソースをかけパセリのみじん切りをかける。

Bon appetit !

Plat du Jour vol.319

 

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今日の一皿《エイのムニエル 焦がしバターソース》 Raie au beurre noir

 かすべという名前で店頭に並ぶエイのひれ。北海道や秋田、山形あたりでは煮付けや煮こごりでよく食べる食材です。フランスやイタリアでも好まれており、この焦がしバターソースはワインにぴったりです。コリコリとした軟骨の食感がたまりません。

　鍋にお湯を沸かし塩を入れ、かすべを5分ほど下茹でする。水気を良く切った冷めたかすべに塩・胡椒をして強力粉をまぶす。フライパンを熱してオリーブオイルを注ぎ、かすべを入れムニエルにする。表面がカリッとするぐらいに弱火で焼きつける。かすべを一旦取り出して、バターを加え、みじん切りのニンニク、エシャロットを加え炒める。白ワインを加えアルコールを飛ばし、塩・ブラックペパー、パセリのみじん切りを加え、火を止め、最後にレモンを絞りソースを作る。

Bon appetit !

Plat du Jour vol.318

 

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