Txikiteo チキテオ 食と料理をめぐる冒険

今日の一皿《ハタハタのアヒージョ》 Hatahata al ajillo

秋田や庄内では子持ちのハタハタ（鰰）が日本海の冬の名物ですが、山陰地方ではシロハタと呼ばれる子持ちではないハタハタが春にかけて旬を迎えます。同じく春が旬のホタルイカを餌として育った、この時期のハタハタは脂がのって、これまたなかなかです。
　
雷鳴がとどろく海の荒れた時によく獲れることからら、鱩とも記され、別名カミナリウオとも呼ばれているそうです。淡く光った子ぶりな姿や淡白な白身の味わいから受ける印象とは逆でハタハタは深海魚です。確かによく見ると不敵な面構えをしてるね。
　
ハタハタに軽く塩をして一夜干しを作る。こちらの方が身が締まり旨味も濃くなる。骨離れの良い白身はアヒージョにしたら旨かろうということで、フライパンにオリーブオイルを注ぎ、じゃがいもを加え蓋をして弱火で柔らかくなるまで火を入れる。ハタハタを加え、最後にセリを加える、セリは当然、根っこも。最後にシェリーを加えるとワインに合うおとなの味になるね。



もちろん一夜干しをそのまま焼いても旨いね。

Bon appetit !

Plat du Jour vol.605

  
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今日の一皿《フラメンキン》 Flamenqín

　
アンダルシアの都市コルドバが発祥といわれるロールカツです。チーズ、生ハムなどが入るのがスペイン的な一皿で、スペインで広く食べられているそうな。フラメンキンというちょっと変わった名前の由来は諸説あるようですが、そのなかでも気に入っているのが以下の由来（ここから）。なんだか眉唾な気もしなくはないですが、スぺインの歴史を垣間見させてくれる楽しい物語です。
　
フラメンキンの文字通りの意味はlittle flemish ということで、小さなフラマン人、つまりベルギーのフランドル（フランダース）地方の人を意味するのだそうです。16世紀に神聖ローマ帝国皇帝でかつスペイン王となったカルロス1世（カール5世）は、フランドル地方の出身で、スペイン入国の際に帯同したフラマン人たちの金髪の色に、この黄金色のロールカツが似ていることから、そう名づけられたというもの。スペイン人は黒髪だから、ゲルマン人の金髪碧眼が珍しかったのでしょうね。
　
牛ランプ肉を叩いてごく薄く延ばし、塩胡椒をして、生ハムと薄切りにしたグリュイエール（もちろんスペインの溶けるケソでもいいよ）を乗せて、端からロール状に巻いてゆく。小麦粉をはたき、溶き卵をくぐらせ、細かいパン粉つける。両端を楊枝で留めてもよい。オリーブオイルで揚げる。豚肉を使ったり、茹で卵やベーコンやソーセージを入れるレシピもあるね。

 

Plat du Jour vol.565

  
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今日の一皿《ガスパチョ》 Gazpacho

　

　あまりの暑さにめげそうなときはアンダルシア地方の冷たいスープを。種を取る、シノワで漉すなどするとレストラン風になるね。とろっとした触感が好みならばフランスパンの白いところを加える。

　トマトは皮を湯剥きしてざく切り、赤パプリカは種を取ってざく切り、キュウリはざく切り、タマネギとニンニクはみじん切り。切った野菜、塩、オリーブオイルをフードプロセッサーにかける。シェリーヴィネガーを少々加えて、冷蔵庫で充分冷やす。冷やした器に入れ、取り置いたパプリカのみじんとキュウリにみじん切りを乗せオリーブオイルをかけ回す。
　
Bon appetit !








Plat du Jour vol.544

  

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今日の一皿《カジョス》 Callos a la madrileña

　スペインのトリッパ（ハチノスと呼ばれる牛の第二胃）の煮込みです。マドリード風と称されるこの煮込みとローマ風と称されるイタリア風のそれ《トリッパのトマト煮込み》vol.3との最大の違いは、トマトソースではなくトリッパの煮汁とパプリカで煮込むことです。チョリソも入れます。牛足や牛鼻などが入ることも。

　トリッパを水洗いして、匂いが気にならなくなるまで何回か水から茹でこぼす。3～4回程度か。改めて鍋に水を張り、トリッパ、ローリエ、セロリ、ニンジン、玉ねぎを入れ柔らかくなるまで弱火で茹でる。2～3時間程度か。煮汁は取っておく。別の鍋にオリーブオイルを注ぎ、みじん切りにしたニンニク、タマネギを入れ色づくまで炒める。トリッパの煮汁、パプリカパウダー、カイエンヌペパー、ナツメグを加えミキサーにかけてペースト状にする。カットしたトリッパを加え1時間ほど煮込む。途中で茹でたひよこ豆とスライスしたチョリソを加える。最後に塩・胡椒で味を整える。一度冷まして味を落ち着かせる。
　
Bon appetit !







Plat du Jour vol.545

  

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今日の一皿《ししゃものオイル煮》 Shisyamo smelt al ajillo

 

　銀色に輝くひときわスレンダーな姿が美しいししゃも。軽く炙って日本酒のお供にすると、かすかに苦みの残る後味が最高です。日本ではおなじみのししゃもですが、世界でも北海道の太平洋側でしか採れない珍しい魚なのだそうです。ハーブと一緒にオイルで煮るとスパークリングなどにも合います。最後にシェリーを加えると、かすかなワタの苦味がいっそう引き立つね。

　フライパンにオリーブオイルを注ぎ、薄切りにしたニンニクを色づくまで揚げる。ニンニクを一旦取り出して、ししやも、タイムを加え、火にかける。あまり火を通しすぎないこと。塩で味を整え、揚げニンニクとパセリを乗せる。
　
Bon appetit !







Plat du Jour vol.526

  

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今日の一皿《甘エビのアヒージョ》 Sweet shrimp al ajillo

　口から鼻に抜けるその香ばしさの炸裂は、かっぱえびせんを爆弾にしたが如し。身はもちろんのこと、頭や脚や尻尾など丸ごといただけます。そして甲殻の部分の方が断然旨い。甘エビのお刺身が残ったら是非お試しあれ。最後に残った、旨みが凝縮したエビオイルもパンにつけて拭って食べる。

　甘エビはキッチンペーパーで軽く押さえて水分を取り除いておく。特に目玉の部分など。ヒゲはカットしても良い。フライパンやカスエラなどにオリーブオイルを入れ中火にかけ、潰したニンニク、赤唐辛子を加える。香りが立ってきたら甘エビを加え、途中でひっくり返しながら、殻の部分がこんがりするまでじっくり火を入れる。塩で味を整え、イタリアンパセリをかける。最後にシェリーを加えると大人の味になるね。

Bon appetit !







Plat du Jour vol.518

  

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今日の一皿《ほうれん草のカリカリパン粉がけ》 Espinacas Sacromonte

　　
　
　本来の料理名は「サクロモンテのほうれん草」という一皿。このサクロモンテSacromonteというのは、アンダルシ地方のグラナダにあるかつてロマ族が住んでいた洞窟などがあるエリアのこと。独特のフラメンコが有名です。フラメンコはヒターノ（スペインジプシー）とモリスコ（改宗イスラム教徒。ロマのコミュニティに潜伏してスペインに留まった人たちが大勢いた）と呼ばれる人々の芸能が融合して生まれたといわれているのでどこか中東料理の気配も感じます。そして今回もvol.343《ジプシーの鍋》でも作ったアーモンドとニンニクを摺りおろしたものが使われているのですが、この一皿がサクラモンテ風と呼ばれている背景は、残念ながら今のところ不明です。不明ですが、旨い。継続調査中ということで。おおつきちひろさんの『スペイン温もりの食卓』のレシピより。

　鍋にオリーブオイルを注ぎスライスアーモンドを色づくまで炒める。フードプロセッサーに炒めたアーモンド、固くなったバゲット、ニンニクを入れ、粗く挽く。最後にサフランを加える（本来はすり鉢で潰すそうですが）。フライパンにオリーブオイルを注ぎ火にかけ3センチ幅に切ったほうれん草を加え炒める。レーズンを加え塩・胡椒で味を調える。ほうれん草を皿に盛り、アーモンドとニンイクの摺りおろしを乗せる。
　
Bon appetit !




　

Plat du Jour vol.492

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今日の一皿《いかすみごはん》 Arroz negro

　
　
　ひさびさのイカ墨ごはん。黒と赤の対比が実にスペインムードですな。

　赤ピーマンを焼き網でグリルしてしばらく蒸らし皮を剥いて縦にカットしておく。イカは墨袋を壊さないように剥がして、ボウルに取り、白ワインに墨を溶かしておく。ワタも絞って溶かしても良い。イカ一杯分だけでは足りないので市販のイカ墨も溶かしておく。イカは胴体は輪切り、脚は吸盤を取り除いて適宜カット。鍋にオリーブオイルを注ぎ、弱火でみじん切りのニンニクを色づくまで炒め、タマネギ、緑ピーマン（いずれもみじん切り）を加えて炒める。湯剥きしてざく切りにしたトマト（あるいはトマト缶）を加えソース状になるまで火を入れる。海老とイカを加え、さらに米（洗わない）を加え炒め合わせる。ボウルのイカ墨を加え全体が真っ黒くなるまで混ぜ合わせ、沸騰したスープを様子を見ながら2～3回に分けて注ぐ。パエリャ鍋を使いガスコンロで炊く場合は、焼き網を使って火を調整すると部分的に焦げなくて良い。スープの量は米の1～1.5倍程度。炊き上がったら赤ピーマンを乗せる。
　
Bon appetit !





Plat du Jour vol.431

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今日の一皿《干しダラのポテトサラダ》 Ensalada de patatas y bacarlao con mimolette

　
　
　ブランダードvol.10やバカリャウ・ア・ゴメス・デ・サvol.320の組み合わせを本邦のポテトサラダ風に仕立てた一皿。ミモレットを上からかけたのは、婦人画報のwebで紹介されていた京都のワインバーEkakiさんの料理の写真の真似です。ミモレットを乗せるセンスに脱帽します。チキテオの場合はちょっとスペインっぽい感じです。じゃがいもにインカのめざめを使ったので、写真はなにやらミモザの山盛りのような風情ですが、ワインが進むこと請け合いです。Ekakiさん、行ってみたい。

　干しダラを一晩水につけて塩抜きして、柔らかくなるまで茹でる。水気を良く切って、骨を取り除き、フードプロセッサーで細かくしておく。じゃがいもを茹でて潰しておく。すこし粗いぐらいが良い。ボウルに干しダラ、じゃがいも、みじん切りのタマネギを入れオリーブオイルを加え混ぜる、塩、ブラックペペーで味を調える。好みでマヨネーズを和えても良いかも。皿に盛って削ったミモレットを散らす。
　　　　　　　
Bon appetit !





Plat du Jour vol.422

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今日の一皿《イワシのエスペト》 Espeto de sardinas

　単なるイワシのグリルだが、串焼きのワイルドさが加わって一層旨いわけだ。これでもれっきとした名前のある料理で、エスペトespetoとはスペイン語で串のこと。スペインはマラガの浜の屋台料理です。

　小イワシに塩をして平たい串に4～6尾ばかり刺す。ガスのグリルであぶり焼きにする。頭の部分も少し時間をかけてカリッと焼いでぜひどうぞ。写真では平たい竹串の代わりに割り箸を削ってつかっています。

Bon appetit !






Plat du Jour vol.415



　
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今日の一皿《未亡人的じゃがいも》 Patatas viudas

　またひとつ、スペインにおけるじゃがいも料理のバリエーションの豊かさに感嘆させられる一皿。揚げたニンニクとパプリカを潰したソースが絶品です。何故、「未亡人的」なのか？カトリックでは肉食は性欲などの快楽の元とされ、それを慎まなければならない未亡人に見立てて、この肉なしの一皿を「未亡人的」と命名したようです。『ドン・キホーテ』の世界に垣間見られる、民衆の残酷なほどの正直さが脳裏をよぎるエピソードです。おおつきちひろさんの『スペイン 温もりの食卓』のレシピから。

　じゃがいもの皮を剥き、適当に切り分けて油で揚げる。ニンニクとタマネギ（1cm角にカット）を油で色づくまで揚げ、すり鉢に取り出し、パプリカパウダーを加えすりつぶしペースト状のソースを作る。鍋にじゃがいもを入れ、ぬるま湯を注ぎ、塩・胡椒で味を調え、蓋をして５分ほど煮る。水分がなくなったら、皿に盛り付けソースをかける。
　
Bon appetit !

Plat du Jour vol.406

　
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今日の一皿《わかさぎのフリットとじゃがいも》 Wakasagi frito e patatas

　わかさぎはじゃがいもとの相性が抜群。今回はちょっとスペイン風の温かいサラダ仕立ての一皿です。じゃがいもをわかさぎと同じ細さにカットして、ローズマリーやニンニクといっしょに揚げたハーブフリットコンビもなかなかです。
　
　鍋に水を張り皮つきのじゃがいもを茹でる。茹で上がったら皮を剥き大きめにカットする。vol.345の要領で赤ピーマンを網焼きして皮を剥く。わかさぎに塩・こしょうをして、小麦粉をまぶして油でカリッと揚げる。皿にじゃがいも、赤ピーマン、わかさぎの順に盛りつける。レモンを絞って、粒塩、ブラックペパー、オリーブオイルを廻しかける。
　
Bon appetit !

　
　　
Plat du Jour vol.364

 

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今日の一皿《食感パン・コン・トマテ》Pan con tomate

  
 
 「カタルーニャ人はパン・コン・トマテがないと生きられません」とはジョセップ・バラナオ・ビニェスさんの言葉。確かにシンプルで旨いわ。

 

　カンパーニュを1.5ｃｍ厚さにカットする。焼き網などで両面を表面がやや焦げるまで焼く。パンの表面にニンニクをこすりつけて香りをつける。完熟トマトを半分にカットしてパンにこすりつける。新鮮なオリーブオイルをかけ塩を振っていただく。と、ここまで書いてきていうのもなんだが、一般に日本のトマトは水分が多く、たっぷりこすりつけると水分でパンがグジャグジャになってしまい、せっかくの焼いた表面のカリッとした食感が台無しになってしまいことが多い。そこで、焼いたパンの食感を生かす方法として、ひと手間かけて、皮を湯剥きしたトマトの種を取り除き包丁で叩いて粗くつぶしたものを乗せる手法を提案したい。この食感パン・コン・トマテの唯一のポイントは焼きたてのパンにトマトを乗っけたらすぐ食べること。
　　　　　
Bon appetit !

　
　　
Plat du Jour vol.362

 

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今日の一皿《焼きなすと鯵のマリネのピンチョ》 Pintxo de berenjena escalivada y chicharro marinado

　焼きなすの焦げた香りが鯵のマリネの絶妙なアクセントとなっており一口食べると目が丸くなります。素材も調理法も簡素ながら奥深い味わいを創り出すスペイン料理の技が垣間見られる一皿です。escalivadaは野菜を表面が焦げるまで焼いた料理のことでカタラン語で「灰で焼いたもの」という意味だそうです。たぶんかつては熱い灰の中で焼いていたことに由来するのでしょう。

　なすの表面にオリーブオイルを塗り、焼き網で表面が焦げて真っ黒になるまでグリルする。アルミホイルでくるんで15分ばかり置く。皮を剥き冷ましておく。鯵を三枚に下ろしてバットに並べ、両面にしっかり目に塩を振って20分ばかり冷蔵庫に放置する。流水で洗い流し水分を良く拭き取っておく。別のバットに並べ、レモンを絞りと白ワインヴィネガーを注ぎ、片面10分程度ずつマリネする。バゲットを薄切りにして焼き網で表面を焙りカリッとさせる。焙ったバゲットに焼きなすとマリネした鯵の切り身を乗せ、粒塩、オリーブオイルをかけ回し、ジブレット（なければ万能ネギ）のみじん切りを乗せる。鯵はマリネしてから冷蔵庫で一晩置くのが理想です。
　　　　　
Bon appetit !

　
　　
Plat du Jour vol.357

 

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今日の一皿《茄子の”にんにくや”》 Berenjenas al ajillo “Ninniku-ya”

 
　暑い！そんな日にはオリーブオイルとニンニクがたっぷりのこんな一皿はどうかな。レストラン「小笠原伯爵邸」の総料理長ジョセップ・バラオナ・ビニェスさんのレシピから。

　茄子は大きめの乱切りにし、たっぷりのオリーブオイルで揚げ焼きにする。強火で短時間で表面がやや焦げる程度に。一旦、茄子を取り出して余分な油を捨てて、フライパンを火にかける。ニンニクのみじん切りを加え、キツネ色になる程度まで火を入れる。茄子を戻し入れて、全体を絡めながら、イタリアンパセリのみじん切りを加え塩で味を整える。辛いのが好きな人はニンニクといっしょに赤唐辛子を加えてもいいね。熱々もいいが冷めたぐらいがまた旨い。オイルはパンにつけて食べる。
　　　　　　　　　　　　
Bon appetit !

　
　
　　
Plat du Jour vol.351 

 

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今日の一皿《酔っ払いのじゃがいも》 Patatas borrachas

　なにやら身につまされる料理名ですが・・・。本当にこんなに簡単シンプルでこんなに旨くていいの？というスペイン料理の奥深さを改めて感じさせてくれる一皿です。おおつきちひろ『スペイン温もりの食卓』のレシピより。

　じゃがいも（中3個）の皮を剥き5ｍｍ厚さにカットする。フライパンにバター（大1）を溶かしてじゃがいもを並べ、塩を振って、さらに重ねて並べる。オリーブオイル（大3）を注ぎ蓋をして極弱火で20分ばかり蒸し焼きにする。白ワイン（大3）を注ぎ、蓋をして10分再び蒸し焼きにする。皿をフライパンに被せ、ひっくり返すようにして焼いた面を上に盛り付ける。イタリアンパセリをちぎって乗せる。
 
Bon appetit !

　
　
　　
Plat du Jour vol.350 

 

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今日の一皿《ジプシーの鍋》 Olla gitana

　
　
　スペイン東南部のムルシア発祥の料理だそうですが、なぜジプシー鍋と呼ばれているのかは、実際、ジプシー（ロマ族）の人たちが食べていたから、肉が入らないその貧しさを象徴して命名された、あるいは、予想しないその材料構成の混沌さから、などといわれていますが、真相は歴史の闇のなかのようです。間違いなくいえるのは、その深い味わいは目から鱗の旨さだ、ということです。おおつきちひろさん『スペイン温もりの食卓』のレシピから。
　　　　　　
　ひよこ豆を一晩水で戻して火にかける。ひよこ豆が柔らかなったら、時間差でかぼちゃ（一口大に切る）、じゃがいも（皮を剥いて一口大に切る）を加え煮込む。フライパンにオリーブオイルを注ぎ、アーモンドを入れ色づくまで炒める。一旦、アーモンド取り出してオリーブオイルを足してニンニクとバゲット（1.5ｃｍ厚さ1枚）を加え色づくまで揚げ焼きする。すり鉢にアーモンド、ニンニク、バゲット、サフランを入れ、すりこぎで摺りつぶす。赤ワインヴィネガーを加え、ひよこ豆のゆで汁も少し加えのばし、野菜の鍋に加える。フライパンを再び火にかけてみじん切りのタマネギを色づくまで炒める。皮を剥きざく切りにしたトマト、パプリカを加え、煮つめ、野菜の鍋に加える。ズッキーニ（8ｍｍ厚さに切る）、いんげん（3ｃｍ長さに切る）、洋梨（くし型に切って芯を取って皮を剥く）を加え、煮込み、最後、塩で味を整える。洋梨は缶詰でもOK。

Bon appetit !

Plat du Jour vol.343 
 

 

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今日の一皿《ルーカスおじさん風いんげん豆の煮込み》 Judias blancas a lo tio Lucas

 「ルーカスおじさん風」というのはマドリッドのいんげん豆の煮込みのことで、チョリソなどを入れて煮込むの一般的なようです。このレシピでは丸の魚を入れていますが、魚の全身から滲み出す旨みがこれまたなかなかよろしい訳です。おおつきちひろさんの『スペイン 温もりの食卓』のレシピを参考に。写真の魚はえぼ鯛です。

　白いんげん豆を一晩水につけて戻し、柔らかく煮る。鯛など白身の魚の内臓・鱗を取って塩をする。フライパンを熱してオリーブオイルを注ぎ魚を表になる方からからソテーする。表面が焼けるまで動かさない。鍋にオリーブオイルを注ぎ、ニンニクのみじん切りを炒める。玉ねぎのみじん切りを加え色づくまで炒める。いんげん豆をゆで汁とともに入れて20分ばかり煮み塩・ブラックペパーで味を整える。耐熱皿にいんげん豆を入れ、魚を乗せ。200℃のオーブンで焼く20分ほど焼く。その間1cm厚さに切ったバゲットをオリーブオイルで揚げておく。焼きあがったら揚げたバゲットを添えて崩しながらいただく。

Bon appetit !

Plat du Jour vol.342 

 

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今日の一皿《キューバライス》 Arroz cubana

  なぜキューバなのか誰も知らないというスペイン料理。本邦で一番近いのは新宿「アカシア」のペパロニライスではないかな。懐かしいー！パンを添えて皿に残ったソースや卵などを拭いながら食べるのがスペイン流だとか。
　　　　　
　フライパンを熱して多目のオリーブオイルを注ぎニンニクを炒め、ご飯を加えガーリックライスを作る。別のフライパンでソーセージと縦半分に切ったピーマンを炒め、取り出して置く。油を足して卵を割り入れ、弱火で白身がカリカリで黄身が半熟の目玉焼きを作る。ガーリックライスの上にソーセージ、ピーマン、目玉焼きを乗せ、トマトソースをかける。揚げバナナを添えても良い。

Bon appetit !

Plat du Jour vol.341 

 

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今日の一皿《重要おじゃが》 Patatas a la importancia

　これが単なるじゃがいもか？とユニークなその名も納得の目から鱗の一皿。たぶん肉や魚などが容易に手に入らないスペインのどこかの地域のどこかの時代に作り上げられた料理なのでしょう。卵をつけたじゃがいもを油でこんがり揚げ、スープを加えた後にオーブンで焼いて香ばしさを皿全体に行き渡らせる。日本の精進料理にも相通じる発想にただただ感服するしかありません。おおつきちひろさんの『スペイン 温もりの食卓』のレシピより。

　じゃがいも（中3個分）を7ミリ厚さにカットして塩を振る。小麦粉をまぶして溶き卵をくぐらせて油で揚げる。フライパンにオリーブオイルを注ぎみじん切りのタマネギ（1/2個）を炒める。色づいたら小麦粉を振り、白ワイン（1/2カップ）、スープ（顆粒スープを少々お湯に溶かした1カップ）を加えとろっとするまで煮詰める。揚げたじゃがいもを耐熱皿に並べスープをかけ、200℃のオーブンで約20分焼く。

Bon appetit !

Plat du Jour vol.338 

 

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今日の一皿《豚ロースのグリル モーロ風》 Morunos de cerdo

　モルノ morunos とはモーロ人の、モーロ風の、という意味で、北西アフリカのイスラム教の人々のことです。日本では英語のムーア人 moors が一般的です。モーロ人による支配が長かったスペインではキリスト教徒とイスラム教徒の料理の融合が図られ、豚肉をモーロ風の味付けで食するピンチョス・モルノという串焼き料理が出来上がりました。政治も料理のように本音で語れればよいのですが。ピンチョス・モルノ Pinchos morunos をヒントにした厚切り豚肉をモーロ風にマリネしてグリルした一皿です。
　　　
　豚ロースや肩ロース肉の厚切り肉を、ニンニク（摺り下ろしまたはみじん切り）、挽いたクミンとコリアンダー、パプリカ、カイエンヌペパー、香菜またはパセリ（みじん切り）、塩、ブラックペパー、レモン汁、オリーブオイルで2時間ばかりマリネする。グリルパンを良く熱してマリネした肉を焼く。マリネの材料もいっしょに焼いて表面が焦げるぐらいの焼き加減がちょうど良い。

Bon appetit !

Plat du Jour vol.337 

 

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