晩年のプルーストは健康が悪化し食事もろく取れなくなりながらオスマン通り102番地のアパルトマンのコルク貼りの部屋で『失われた時を求めて』の改定作業に打ち込んでいた。晩年に仕えていた家政婦セレスト・アルバレの証言によると、そんなプルーストが時々思い出したように所望したのが舌平目のフライだったそうだ(『プルーストの食卓』 アンヌ・ボレルから)。コルベール風とは、ルイ14世の腹心で要職を兼任していたジャン=バプティスト・コルベールが好んだことに由来する。
舌平目を30分ばかり牛乳に浸す。その間にメートルドテル・バターを作る。無塩バターを常温に戻しボウルなどに入れよく練ってポマード状にする。みじん切りにしたパセリを加え、レモン汁を絞り混ぜ合わせ、塩・胡椒を加える。舌平目の水分を良く拭って塩・胡椒を少し振ってし、小麦粉、卵、細かいパン粉をまぶす。新鮮オイルで揚げよく油を切ってから皿に乗せ、メートルドテル・バターを乗せ、カットしたレモンを添える。あらかじめ中骨を取るのがフランス式だが焼き魚になれた日本人はそのままでも十分うまく食べられるでしょう。
Bon appetit !
Plat du Jour vol.216
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