ロバート・アルトマンは、映画『ロング・グットバイ』(1973)において、レイモンド・チャンドラーの原作を大胆に改変しながら、独自のフリップ・マーロウ像を創造した。この作品が優れているのは、そのマーロウ像が70年代という時代やハリウッドそのものへの批評性にまで高められているところ。両切りキャメルを手放さないオフビートのマーロウ役を演じたのはエリオット・グールド。劇中アイリーン・ウエイドが振舞うのがこの一皿。エスニック料理に感激するマーロウというのもアルトマンの計算なのだ。
概ね4人前として、鶏胸肉(500g)を一口大にカットして、白ワイン、塩、胡椒で下味をつけておく。アーモンド15粒をフライパンで軽く炒ってフードプロセッサーでパウダー状に挽いておく。鍋にバター(大2)を溶かし、ニンニク(みじん切り)、しょうが(みじん切り)、タマネギ(みじん切り1個)を加えて炒める。ガラムマサラ(大2)、ターメリック(大1)、カイエンヌペッペー(大1)を加え、さらにパウダー状にしたアーモンドも加え炒め合わせる。トマトソース(水煮1缶分)、ヨーグルト(1/2カップ しばらくザルなどにあげて水分を切っておく)、ハーフ・アンド・ハーフ(1/2カップ)を加えかき混ぜながら煮立たせる。鶏、バター(大2)を加え、蓋をして30分ほど煮込む。最後に塩、胡椒で味を整える。ジャスミンライスと一緒に盛り付けて香菜を飾る。ハーフ・アンド・ハーフは生クリームと牛乳を半々に混ぜたもの。
Bon appetit !
Plat du Jour vol.259
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